2010年 03月 11日
「ナニカアル」 桐野夏生著
桐野夏生の新刊、いつもならば一気読み!なのだが、今回はかなりじっくりゆっくり読みました。
林芙美子の従軍経験を彼女が語る、という形をとったこの小説。
序章はすでに亡き芙美子の従軍記が見つかるところから始まる。
芙美子その人が語っているかのような臨場感。焦燥感。
「ナニカアル」その題名のとおりに、芙美子は何かを探して、何かがあるはず、と人生を突き進んでいく。
何が、いけないのだ、と。
芙美子の母の、その存在感。
最後にちょこっと出てくるだけなのに、
「お母さんはお化けだね」「私は全然適わない」
と言わしめる。
生きることに旺盛な、そういうのが心をうつのかと思う。
ひたむきに、生きる、生ききって。
もう一回読もうっと。
そして
「放浪記」
ももう一度。
本当に読書っていいですね。何度も何度も楽しめる。これに勝る娯楽は無いですよね。
by e_pandako02
| 2010-03-11 18:43
| 読書