「池波正太郎の銀座日記」  池波正太郎

池波正太郎を「グルメ」と評する向きがあるが、それには違和感を覚える。


「池波正太郎の銀座日記」を読むと、「やっぱり・・・」と腑に落ちる気がする。


彼は子供のころから慣れ親しんだ「むかしの味」をずっと食べ続けているだけなのであって、間違っても美食家?というのはちょっと、ね。


なんせ浅草下町がテリトリー、外食に慣れているし、小学校を出たら株屋で年齢不相応の額を稼いでいたのであるから、そのころの「美味いもの」は食べつくしたのであろう。洋食がハイカラな時代、いかにも美味そうなものがある。


その後長じて後に求めるのは「むかしなじみの美味いもの」なのである。


これを「グルメ」というのはちょっと違う観察のように感じるのであるが、いかがなものか。



試みに数日の食事を抜書きしてみよう。


・豚肉と玉ねぎの白シチュー


・ウィスキーとサンドイッチ


・ロースカツ


・ホットケーキ


・チキンライスとポトフ


・蕎麦


決して豪華なわけではないけれど、「へぇ・・・」と美味しそうな雰囲気が漂う。



池波正太郎が無くなった後の奥様のインタビューに


「工夫して食事を作るのは好きだった。まずかったけれど」


というのがあって、思わず笑ったものである。冷えたソースカツを熱々のご飯に、なんていかにも美味しそうだけど、実行してみると「?」なのかもしれない。



しかし、もちろん作品でちりばめられる食の場面にはやはり惹かれる。


ストーリーに緩急をつけるのと季節感という役割を持たせていたのであろう。


ドラマの「鬼平犯科帳」はよく出来ていたけれど、食事の場面がやけに強調されていたのが不満だった。


勝手にキャラクター出来ちゃってたし・・・。



と、かなり池波正太郎を愛している私。


読んだ年齢なりの味わいがあって、もっと年を取ってから読むのが楽しみなのである。




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by e_pandako02 | 2009-11-14 20:01 | 読書

鎌倉で暮らし始めて3年が過ぎました。忙しい日々の中見つけたイイものを綴ります。
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