2009年 03月 14日
「珍妃の井戸」 浅田次郎
「蒼穹の昴」の続編ともいうべきこの作品。
「珍妃」は「チェンフェイ」と読みます。
浅田次郎さんの中国への想い、その作品を通してひしひしと感じます。
「蒼穹の昴」「中原の虹」読めば、中国語マスターしたくなりますもの。
清朝最後の皇帝の愛妃として後宮にその美しさを詠われた珍妃。
その身を井戸に投げて、愛する皇帝に最後を告げた悲しい美妃。
テーマはやはり、「愛」なのであった。
浅田次郎が描くからこそ、どこから開いても歴史の1ページに、しかと存在した人間の息吹が感じられる。
最近は司馬遼太郎を読み直している。
どうして今の日本があるのか、どんな人々の営みが存在したのか、司馬遼太郎も浅田次郎も丹念に、歴史の中に生きた、隣人とも思える人々を掘り起こしている。
読書って・・・人生一番の楽しみ、ですね。間違いなく。
今日はホワイトデー。花粉と暴風に負けて、お出かけは断念。
でもつまらなくないのです。本さえ傍らにあれば。