2008年 11月 09日
「輪違屋糸里」 浅田次郎
最近、浅田次郎を再読中。
新撰組の元隊員が西南戦争に行く、って新作を書く(書いてるのかなあ?)という記事を読み、そりゃー楽しみ楽しみ、斉藤一か?永倉か?といろいろ考えつつ、浅田次郎の事だから、ちょっと史実を踏まえつつの創作になるのかな、などと、単行本が心待ちなのである。
待ってる間は既刊の作品を再読、再読。何度読んだって楽しいのが読書の醍醐味。
「輪違屋糸里」
は、芹沢暗殺に加担した島原の太夫、糸里が主人公。
新撰組を巡る女達を軸に、かなりじっくり芹沢鴨について書いている。
こうあらねばならない、不便な「男」という生き物の不可解さ、更には「侍」というものの化け物じみた生き方、それを目指して生きる土方の、近藤の、新撰組の滑稽さ・哀れさ。
浅田次郎はかなりの新撰組マニアだそうな。
とにかく題材として面白いのであろう。「キャラが立ってる」隊員、そして歴史上大した意味を成していないが、その苛烈な行動だけが言い伝えられ、史実には大した痕跡が無い。
そりゃ、脚色のし甲斐があるんでしょう。
是非、ご一読。