2008年 11月 30日
「もうひとつの国へ」 森山大道
人に興味を持つと、とことんまで知りたくなるのが私のクセ。
今は森山大道、その人にぞっこんなのである。出来れば写真集・著書みんな購入したいくらいのもの。
ま、それは懐具合と相談ということでボチボチ・・・。
といいつつも、昨日購入の「もうひとつの国へ」。
面白い。面白い人だ。
面白いって、行動が奇矯だとか話すことが愉快だとか、そういうのではない。全く違う。
自分にとって興味深い、興味が尽きないのである。それが面白いって事。
路上に出かけて写真を撮る、それが彼の生活のすべてなのである。
生活のすべてをひとつの事に掛けているから、ほかの事は何でもよくなる。
食べ物も身の回りも、家族さえも。
「・・・例えばいま、ぼくと付き合う女性がいたと仮定してみても、おそらくその女性は面白くも可笑しくもなく、退屈きわまりないはずだ。映画も見ない、芝居も観ない、コンサートにも行かない、遊び旅行もしない、車も持たない、パソコンもケータイもなく、旨い店も知らない、おまけに近ごろ酒も飲めなくなって、つまりはないないづくしのわが身である・・・」
ああ、カッコイイ。そう言い切れるヒトのなんと素敵なことか。
ホントなら自分もそんな風に生きてみたい。人生にひとつだけ、賭けられるものがあれば、それだけでいい。
それなのに、人間はなんと無駄に動き回ることか。
美味いものを求めたり、美しい外見の為にお金を掛けてみたり、やりたくもない仕事に必死になってみたり、無駄なお付き合いも大切だ、なんて言ってみたり。
自分には出来なかったけど、憧れる生き方。