2008年 09月 27日
「The Diver」 野田秀樹演出・作
とにかく怖かった。怖~い、怖~い、怖~い。
男と女が引き起こす罪と罰。
女という性が持つ残酷さ。
浅薄な行動が引き起こす悲劇。
生きる事の罪。
ホントに・・・。恐怖であった、舞台上。
源氏物語がモチーフであるために、舞台美術は美しい。
背景の黄金の月が時に真っ赤に輝き、ストーリーが展開していくにつれ、胎児のようにも見えてくる。音楽は囃し方のみ、能の形をベースにこれだけの舞台を作り上げる、やはり野田秀樹!
白黒金銀赤紫黄、様々な色が展開する中のその真紅の恐ろしさ、生々しさ。血の色、堕胎の色、母と繋がる因果の色。
英語で展開する中でたった一言の日本語のその恐ろしさ。
絞首刑でぶら下がる女の腹から生まれ出る野田の恐怖の叫び。産声は恐怖の叫びなのか?
これ、キャストが日本人であれば、主役の女は誰がいいだろう。
岸田今日子くらいしか思い浮かばない・・・。キャサリン・ハンター、この人の存在自体が恐ろしかった。
しかし・・・やっぱり野田秀樹は凄かった!軽い内容ではもう全く満足できない自分になってしまい、それも恐ろしい・・・。