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「五郎治殿御始末」 浅田次郎


「五郎治殿御始末」 浅田次郎_b0365619_18154531.jpg


浅田次郎さんの時代小説、どれを読んでも面白いですが、この短編集とってもいいです。


幕末から維新後の狭間を生きた、身近な、それこそ私達の3世代前のおじいさん・おばあさんの物語です。


浅田さんは、泣かせる名人だと思いますが、そりゃなまじっかな腕前ではそんな事は出来ませんもの。


この本に収められている短編、すべて好きですが一番私がいいなあと思ったのは冒頭の一編、


「椿寺まで」。


維新で刀を捨てて商人になった徳川の遺臣、小兵衛。旧友の息子、新太を連れた旅で訪れるのは「椿寺」。


新太は”世が世なれば”若様と呼ばれる身分であり、そうと悟った事を気付かせずに母に再会する・・・。


その旅の短時日の出来事を語るだけで、鮮やかに登場人物たちの過去やかかわり、愛情の深さを描き出しています。


浅田さん、つくづくたいしたもんだ!


こういうの短編シリーズでドラマ化するといいですよねえ。



「椿」つながりで今日は「椿三十郎」を見に行こうかな。


黒澤映画好きなので・・・ちょっと興味あります。トヨエツの室戸は良さそうだし。




by e_pandako02 | 2007-12-01 09:34 | 読書

鎌倉で暮らし始めて3年が過ぎました。忙しい日々の中見つけたイイものを綴ります。

by MOON GLOW
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