2007年 10月 31日
「作家の庭」
「神々の指紋」の著者、丸山健二さんの「小説家の庭」です。
安曇野に暮らす著者が自ら作庭し、写真撮影し、文章を書いています。
庭作りにはかなり興味があります。田舎の実家の庭は、あまりにもいろんな樹を植えすぎ?とにかく沢山の植物が植えられていますが、すっきりした寛げる庭というのはなかなか出来ないものですね。成長する先の形を見据えて、樹を植えたり剪定したり、色合いとして花を植えたり。この本を眺めていると、和花ってとてもいいですね。洋花も美しいですが、情緒は和花の方が勝っていますね。
疲れたときにこの本をめくって、写真を眺めているだけでも楽しいものです。しかも味わい深い文章に感心。一行を何度読んでも繰り返し読んでも飽きないですね。
年齢を重ねるにつれて熟してゆく自由の道をひっそりと歩みたい
どこまでもどこまでも個人の自由を問題にして老いてゆきたい
それこそが
最も無理の無い
偽善的でもない
自然な理念にほかならない
到達すべき目標があるとすれば
まさにそれだ
自分のしているのは生活であって「生きる」という事ではないのでしょうか?一生懸命仕事して、疲れて家に帰って、寝て、起きて、満員電車で職場に向かって・・・。個人の自由って?自分の自由は自分こそが規定し、縛っているのも放つのも自分。今行なっている生活は自分の自由において選択したに他ならないのかもしれないです。この生活を続けろとは誰にも言われていないのに、勝手に自分で続けているわけですもんね。
・・・とこの本を読んでいるといろいろ考えてしまうのです。心地よいのです。